役に立つかも!?シャープペンシルのフランス語が知りたい!
こんにちは、クリポンです。
日常欠かせない筆記具の一つ「シャープペンシル」。カタカナの呼び名からふと、外来語なのかと思ってしまいそうです。でもシャープペンシルは日本固有の言い方なんですよ。
ところでフランス語では何と言うのでしょうか。シャープペンシルの仏語は、日本語とも英語とも違った表現をします。
今回はシャープペンシルのフランス語での言い方について掘り下げてみます。
「シャープペンシル」フランス語での言い方は?
英語とは違う表現をする、シャープペンシルのフランス語
シャープペンシルは「porte-mine」
「シャープペンシル」はカタカナで書かれるため、英語由来のように思われがちです。でも英語でシャープペンシルは「mechanical pencil」。「メカニカルな鉛筆」とは、シャープペンシルの機構をうまく言い表していますね。
フランス語でシャープペンシルは「porte-mine ポルトゥ ミーヌ」と言います。「portemine」とハイフンなしでも書かれます。ちなみにporte-mineは男性名詞です。
筆記具のフランス語についてはこちらをどうぞ :
名詞の性についてこちらで解説しています。
「crayon mécanique」と言う場合もあり
日本語で、シャープペンシルのことを英語的に「メカニカルペンシル」と言い表すことがありますよね。同様にフランス語でも「crayon mécanique」または「crayon automatique」と言うことがあります。フランス語のcrayonは鉛筆のことで、英語のpencilにあたります。
とはいえ日常生活においては「porte-mine」を使うことがほとんどです。
「porte-mine」その詳しい意味は?
2単語からなる「porte-mine」
ハイフンで繋がれていることから分かるように、porte-mineは2単語から成ります。名詞「porte」は、主にドアや門といった意味。名詞「mine」は芯のことです。なぜドアなのか…イマイチ分かりませんよね。
porteはしばしば「porte-〇〇」のように接頭語として使われます。この場合は名詞のporteではなく、動詞のporterに関係があります。porterの意味は「持つ、保つ、支える」です。
porte-mineは芯ホルダーの意味を持つ
これで納得ですね。porte-mineとは「芯を支えるもの」、つまりシャープペンシルの軸を指しています。フランス語のporte-mineは、英語で言うlead holder(lead : 芯)に近く、つまり日本語の芯ホルダーとほぼ同じ意味になります。
シャープペンシルのフランス語はporte-mine、でもその意味するところは「芯ホルダー」なわけです。英語的にメカニカルペンシルとは言わず、独自の表現を用いるところはさすがフランスです。
ちなみに「porte-」が接頭語につく言葉は他にもたくさんあります。3つほどあげてみましょう。
- porte-manteau(manteau : コート): コートハンガー又はコート掛け
- porte-monnaie(monnaie : 小銭): 財布
- porte-bouteilles(bouteille : 瓶): ワインラック
porte-が付く言葉の多くは、何かを保ち支える収納物のことを示します。
シャープペンシルと芯ホルダー、どうやって区別するの?
シャープペンシルも芯ホルダーも「porte-mine」
フランス語では、シャープペンシルと芯ホルダーの言葉による区別がなく、どちらもporte-mineを使います。確かに広義にはシャープペンシルも芯ホルダーと言えます。芯をホールドする(保持する)意味では同じだからです。
一応区別するために、シャープペンとは機構が異なるドロップ式の芯ホルダーを「porte-mine à pince」(à pince:はさみ式の)と言うことがあります。でもこのように使われるのは稀だと思います。
芯の太さによる区別
フランスでは、軸の仕様がノック式だろうがドロップ式だろうがすべてporte-mine。シャープペンシルも芯ホルダーもすべてporte-mineで統一しています。そこで唯一、区別するのは芯の太さです。porte-mine 0.5mmとかporte-mine 2mmという言い方をよくします。
例えば芯ホルダーを買いたい!と思いたち、フランスで購入するとします。ネット上で探す場合、フランス語で芯ホルダーを指し示す、固有の言葉はないと思った方がいいでしょう。もし芯ホルダーを探したいなら、「porte-mine 2mm」などと、具体的な芯径の大きさを入れて検索することで、芯ホルダーが出てきます。
ここで「porte-mine à pince」や「porte-mine mécanique clutch」で検索しても、一部の限られた芯ホルダーしか出てきません。それにしても…国それぞれに異なる言い方ややり方があるのは興味深いな、と思った次第です。
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なぜ日本語ではシャープペンシルと言うのか?
シャープペンシルは1822年に、イギリスで初めて特許取得がなされました。これをもってシャープペンシル第1号とされることが多いようです。
それ以後は世界のあらゆる場所でシャープペンシルの改良が続けられ、50年余りの間に160以上もの特許出願がありました。その中に、アメリカで「エバーシャープ Ever Sharp」と名付けられた製品が存在したようです。「Ever shrap」つまり「常にとがった」という意味です。
20世紀に入り、1913年にアメリカでチャールズ・ルード・キーランが、「Evershrap エバーシャープ」という名の筆記具会社を立ち上げました。その後すぐにEvershrapの名でシャープペンシルを商品化しています。
また同じ頃日本では、1915年に早川徳次氏が独自のシャープペンシルを開発し、「エバー・レディー・シャープ・ペンシル Ever Ready Sharp pencil」と名付けました。日本ではこの名称が短くなって残り、現在もシャープペンシルの名前で親しまれるようになったのです。
フランス語名が分からない、見つけられない…
文房具に限らず、フランスである物を探したいとき、呼び名が分からないことがあります。シャープペンシルのフランス語は、調べればすぐにporte-mineだと分かります。じゃあ芯ホルダーは何て言うの?と日本人的には区別するものだと思っていたので、ちょっと困ったわけです。
こういった調子で日々少しずつ、物の名前を学んでいます。文房具中心に、あるいはそれ以外のことなど、フランス語つれづれ話も少しづつ記事にしていきたいと思っています。