水彩色鉛筆とは? 水彩のイラストが簡単に描ける!?
こんにちは、クリポンです。
アウトドアもいいけれど、家でじっくり楽しめる趣味も欲しい!絵画・イラストへの興味から、絵や塗り絵を始めてみたいという方もいらっしゃるでしょう。まずは描くための道具選びから始めてみませんか。
色鉛筆は誰でも気軽に始められる人気の画材です。絵の具のような手間がかからないため「色鉛筆から始めよう」と選ぶ方も多いようです。取っ付きやすい色鉛筆ですが、実は奥が深い画材でもあります。
今回は絵の具の代わりに!と人気上昇中「水彩色鉛筆」についてお届けします。
使い方は簡単! 水彩色鉛筆を始めてみよう
「水彩色鉛筆」と「油性色鉛筆」の違いは?
色鉛筆に興味を持ち、調べ始めて気づくことの一つに「水彩色鉛筆」と「油性色鉛筆」の存在があります。この2つ、一体何が違うのでしょうか。
簡単に言えば、芯が水に溶けるか溶けないかの違いです。
油性色鉛筆
水に溶けないのが油性色鉛筆です。実際、芯を水で濡らしても溶けないですよね。
一般に学校や家庭でよく使われる色鉛筆は、油性色鉛筆です。単に「色鉛筆」と言った場合は、油性色鉛筆のことを指していると思って良いでしょう。
水彩色鉛筆
水彩色鉛筆の芯は水に溶けます。芯を液体化させて、水彩画を描くという、一風変わった色鉛筆です。
私が持っているのはこちらの水彩色鉛筆、ファーバーカステル「ゴールドファーバー アクア」です。
詳しくはこちらの記事をどうぞ :
油性色鉛筆についても書いています。
「カランダッシュ」水彩色鉛筆を初めて販売したメーカー
水彩色鉛筆が誕生したのは1931年。カランダッシュの水彩色鉛筆「プリズマロ Prismalo」が第1号でした。「カランダッシュ Caran d’Ache」は、スイス・ジュネーヴに拠点を置く文房具メーカーです。
水彩画が描ける色鉛筆とは、なんとも画期的な発想です。販売を始めるにあたってのコンセプトは「筆とは異なり、水彩色鉛筆を使えば水彩画の線がより正確に、自由に描ける」でした。
こちらがカランダッシュのプリズマロ。現在も人気の水彩色鉛筆です。
水彩色鉛筆の特徴は?
水彩色鉛筆とはどんな色鉛筆なのか、その特徴についてみていきましょう。
見た目は普通の色鉛筆と同じ
水彩色鉛筆の見た目は、油性色鉛筆と変わりません。乾いた紙に描けば、普通の色鉛筆として機能します。
芯が水に溶ける!
水彩色鉛筆の芯には、水に溶ける素材が使われています。そのため色鉛筆で描いたところに水を含ませると、すぐに変化が起きます。
先ほど描いた線を、水を含ませた筆で上からなぞってみましょう。
するとどうでしょう、水彩絵の具のようなタッチに変わります。
混色も可能な水彩色鉛筆
水彩色鉛筆では、色を混ぜることも可能です。
2つの色を混ぜてみます。写真の上は紫と赤、下は緑とオレンジです。3つ続く山の中央を混色しています。
水を含んだ筆でなぞっていくとサッと溶けていきます。
ちょっと雑な絵ですが…このような感じで、真ん中の部分は色が混ざりました。
複数の色を混ぜることもできます。鉛筆で描く濃さを調節して配合の具合を変えれば、多様なニュアンスを表現できます。
なぜ水彩色鉛筆を選ぶのか?
水彩色鉛筆のポイントは気軽に水彩画が描けることです。道具は水彩色鉛筆と紙と筆、そして水を用意すればいいのです。
絵の具よりも色鉛筆の方が気軽に始められ、たとえ長期間使用しなくても、絵の具のように固まってしまうことがありません。旅行先やお気に入りのカフェにも持っていきやすいですよね。
水彩色鉛筆に必要な筆と紙
筆と容器
描くにあたって、筆と小さな容器が必要です。筆は好みのもので構いません。容器は筆に水を含ませたり洗浄したりするためのものです。空き瓶やいらないコップを使ってもよいでしょう。
携帯用には水筆を使うと便利です。
結果が得やすいのは水彩紙
紙は水彩紙がおすすめです。普通の紙では水彩色鉛筆独特のタッチが出にくく、水分で紙がうねってしまいます。
水彩色鉛筆の面白いところは、水彩絵の具のようでありながら、色鉛筆らしい細かい表現がしやすいことです。上質な水彩紙を選べば、数回の重ね塗り(描いて水で溶いた部分を乾かしてから、さらに描き加えてまた水で溶く)も綺麗に表現でき、面白味が増しますよ。
メーカーや価格帯によって変わる水彩色鉛筆
水彩色鉛筆を購入するためにお店やネットで調べてみると、価格の幅の広さに驚かれるでしょう。価格の違いは、水彩色鉛筆に使われる素材の違いによります。
特に芯の質は、色鉛筆の発色や光沢、透明度などに影響します。色鉛筆のことをあまり知らない人でも、実際に低価格のものと高価格のものを描き比べてみれば、その結果は一目瞭然です。一般に安いものほど発色が弱く、高価格のものには色の鮮やかさがあります。
水彩色鉛筆を長く使っていきたいと思うなら、ある程度高めの価格のものを購入することをおすすめします。使った時の満足度が違ってくると思います。
水彩色鉛筆には欠点もある!?
実は水彩色鉛筆が好きではないという人も、少なからずいます。その欠点とは、水彩色鉛筆を使うと、絵に鉛筆らしいタッチが残ってしまうことです。
水で溶いても、鉛筆独特の筆跡が残ってしまいます。水彩色鉛筆は、完全に絵の具に取って代わることはできないのです。
本来の水彩画(絵の具と筆)を描きたい方にとって、水彩色鉛筆の場合、その結果に納得できないことがあります。
水彩色鉛筆は水彩絵の具の代用と考えるより、水彩色鉛筆という個性を持つ、一つの画材だと考えた方が良いでしょう。それを踏まえた上で描いていくと、色々と面白い発見、使い方が見つかるでしょう。
組み合わせて使うと面白い水彩色鉛筆
水彩色鉛筆は、他の画材との相性がいいです。水彩絵の具やパステルなどをメインとして描く絵に、部分的に水彩色鉛筆で書き込んで水でなじませば、違和感なく使えます。繊細な線が引けるのは、水彩色鉛筆ならではなのです。
水彩色鉛筆は紙を選んで!
大人の塗り絵人気に伴って色鉛筆を購入する方が増えているようです。塗り絵をしているうちに自分でも絵を描いてみたくなり、水彩色鉛筆に興味を持たれた方もいらっしゃるでしょう。
手軽に始められる水彩画として水彩色鉛筆はおすすめです。ただ水彩用の紙を選ばないと水を乗せたときにうまく結果が出ません。紙も色々と試してみるといいですよ。